蒲蒲線の第三セクター「羽田エアポートライン」設立 線路施設を整備、保有



東京都大田区と東急電鉄は10月21日、新空港線(蒲蒲線)の整備主体となる第三セクター「羽田エアポートライン株式会社」を設立したと発表した。

蒲蒲線の上下分離方式のイメージ。線路施設を整備、保有する第3種鉄道事業者として羽田エアポートラインが設立された。【撮影:草町義和、加工:鉄道プレスネット】

設立は10月14日付け。資本金は2億9500万円で、大田区が61%、東急電鉄が39%を出資した。代表取締役社長は大田区の玉川一二副区長。大田区と東急電鉄は今後、羽田エアポートラインが中心となり、蒲蒲線のうち第1期整備区間となる矢口渡~京急蒲田の検討の深度化を進めていくとしている。

蒲蒲線は矢口渡~東急蒲田(地下)~京急蒲田(地下)~大鳥居を結ぶ新線の構想。東急多摩川線と京急電鉄の空港線を接続し、東急線方面と京急蒲田駅や羽田空港方面とアクセス改善を図る。このうち矢口渡~京急蒲田を第1期整備区間として先行整備することが考えられている。

都市鉄道等利便増進法に基づく上下分離方式での整備が想定されており、同線の事業者は線路施設を整備して保有する整備主体(第3種鉄道事業者)と、整備主体から線路施設を借りて列車を運行する営業主体(第2種鉄道事業者)に分かれる。

蒲蒲線の位置(赤)。矢口渡~京急蒲田間を第1期整備区間として先行整備する。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

今回設立された羽田エアポートラインは整備主体となる第三セクターで、蒲蒲線の第3種鉄道事業などを行う。列車を運行する営業主体は正式には決まってないが、大田区は東急電鉄を営業主体にすることを想定している。

大田区は第1期整備区間について、羽田エアポートラインが鉄道事業にかかる許認可を取得したのち、都市計画決定などの手続きを約3年かけて行うことを想定。工事開始から開業までは10年程度かかるとしている。

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