JR北海道のH100形「観光車両」10月末から 車体外観と内装のデザイン発表



JR北海道は9月14日、国と北海道の支援を受けて導入する「観光車両」の外観や内装などの概要を発表した。普通列車用の新型気動車「H100形」の一部をラッピングで装飾し、内装も観光列車として使えるよう改装。10月末から順次運行を始める。

JR北海道のH100形。【画像:中村昌寛/写真AC】

本年度2022年度は釧網本線と根室本線の釧路以東(花咲線)、石北本線、富良野線に4両が導入される。車体は1両ずつ線区の特色を表現したラッピングで装飾する。4両の車両番号や運転区間(2022年9月時点)、車体デザインは次の通り。

●釧網線ラッピング
車両番号:H100-82
運転区間:根室本線・新得~釧路
デザイン:釧路湿原やタンチョウ、摩周湖、流氷を表現

「釧網線ラッピング」の想像画。【画像:JR北海道】

●花咲線ラッピング
車両番号:H100-83
運転区間:根室本線・新得~釧路
デザイン:キハ54形「地球探索鉄道」と同一。ハナマスの花びらと雪の結晶を表現

「花咲線ラッピング」の想像画。【画像:JR北海道】

●石北線ラッピング
車両番号:H100-80
運転区間:宗谷本線・旭川~名寄、石北本線・旭川~上川
デザイン:上川・オホーツク両地域の四季の移り変わりを動植物で表現

「石北線ラッピング」の想像画。【画像:JR北海道】

●富良野線ラッピング
車両番号:H100-81
運転区間:宗谷本線・旭川~名寄、石北本線・旭川~上川
デザイン:ラベンダー畑や青い池を表現

「富良野線ラッピング」の想像画。【画像:JR北海道】

内装は各車共通で観光列車としても使えるよう改装する。座席には北海道産のタモ材を使った脱着式テーブルを追加し、つり手にも木材を使用。シート生地にはタンチョウやエゾマツなど北海道の自然・風景をイメージした絵柄を取り入れる。

「観光車両」車内の想像画。【画像:JR北海道】
シート生地のデザイン。【画像:JR北海道】

まず今年2022年10月末から「釧網線ラッピング」「花咲線ラッピング」の2両が運行開始し、「石北線ラッピング」「富良野線ラッピング」も2022年度中に運行が始まる見込み。新得~釧路や旭川~名寄・上川の定期列車で運用されるほか、観光列車としても今後運行される予定。

これらの車両は国(鉄道・運輸機構)と北海道による助成・補助制度を活用して導入。各車両は石勝線・根室本線・宗谷本線の高速化や札沼線(学園都市線)の電化を手がけた第三セクター「北海道高速鉄道開発」が保有し、JR北海道が同社から無償で借り入れる。

このほか、来年度2023年度も追加で4両が導入され、室蘭本線・日高本線・根室本線・宗谷本線で運行される予定だ。

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