みなとみらい線「10円値上げ」バリアフリー料金を導入 車椅子スペース増設など



横浜高速鉄道は9月2日、国土交通省の関東運輸局に「鉄道駅バリアフリー料金制度」に基づく料金設定と整備・徴収計画を届け出た。みなとみらい線で来年2023年3月頃から運賃にバリアフリー料金を上乗せし、実質値上げする。

ホームドアが整備される前のみなとみらい線の元町・中華街駅。【撮影:草町義和】

運賃への加算額は普通旅客運賃がIC(1円単位)・切符(10円単位)とも10円。子供運賃は料金加算後の大人運賃の半額。定期旅客運賃は通勤定期で1カ月600円、3カ月1710円、6カ月3240円を加算する。通学定期と一日乗車券はバリアフリー料金の加算対象外。

バリアフリー設備の整備・徴収計画によると、徴収期間は2023年3月~2036年3月の13年間とし、2036年4月以降の継続も検討する予定。年間徴収額は5億9100万円で総徴収額は131億6000万円を見込む。整備計画の対象期間は2021年4月~2036年3月で、総整備費はバリアフリー料金の総徴収額と同じ131億6000万円。

2021~2025年度はバリアフリートイレのリニューアル(3駅3カ所)やエレベーターの更新(5駅14基)が計画されている。届出上の整備計画では新高島駅のホームドア整備も含まれているが、同駅のホームドアは2021年に整備され同年11月から使用開始しており、これによりみなとみらい線の全駅でホームドアの設置が完了している。

2026~2035年度は車両内の車椅子スペースの増設やバリアフリートイレのリニューアル(2駅2カ所)、エレベーターの更新(1駅3基)、エスカレーターの更新(5駅67基)を行う。横浜高速鉄道はみなとみらい線向けの車両を6編成保有しているが、現在は1編成2カ所の車椅子スペースを4カ所にする計画だ。

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