秋田臨海鉄道が解散、半世紀以上の歴史に幕 秋田港の貨物線



秋田港の貨物線を運営していた秋田臨海鉄道が解散した。5月22日に開かれた株主総会で会社解散を決議。設立から半世紀以上の歴史に幕を閉じた。

秋田臨海鉄道の公式ウェブサイト。【画像:秋田臨海鉄道】

決議時点の株主はJR貨物(38.28%)と秋田県(36.22%)、ほか7社(25.55%)。JR貨物は秋田臨海鉄道の解散について、連結決算に与える影響は軽微としている。

秋田臨海鉄道は国鉄や秋田県などが出資する臨海鉄道方式の第三セクターとして、1970年に設立。翌1971年、奥羽本線貨物支線の秋田港駅から港湾沿いに南北に延びる南線と北線を開業した。貨物列車のみ走る貨物線だが、1986年には沿線で開催された博覧会にあわせ、臨時の旅客列車が運行されたこともある。

貨物のトラック輸送への移行などで北線は2015年に休止。南線も2021年3月に列車の運行が終了し、同年4月1日付けで南線・北線ともに廃止された。秋田臨海鉄道は鉄道事業の廃止後に清算手続きなどを進めていたが、今年2023年4月末に原状回復工事が終了したのを受け、5月の株主総会で解散が決議された。

秋田港駅で秋田臨海鉄道に接続するJR貨物の奥羽本線貨物支線も秋田臨海鉄道の事業廃止に伴い、定期運転の貨物列車の設定がなくなっている。一方、JR東日本は2017年から、秋田港に寄港するクルーズ船の乗客向けの列車として秋田港駅に乗り入れる旅客列車を臨時運行している。

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