九州各地のJR線で減便・最終列車繰り上げ、快速廃止も 9月23日ダイヤ改正



JR九州は西九州新幹線の開業にあわせ、9月23日にダイヤ改正を実施する。快速・普通列車は各地で減便を中心とした見直しが行われ、最終列車の繰り上げも実施。新型コロナウイルスの影響による利用者の減少を受け運行体系を見直す。

小倉駅に入線するJR九州の普通列車。【撮影:鉄道プレスネット】

福岡・北九州エリアの鹿児島本線では、ほぼすべての時間帯で運転本数や運転区間を見直す。朝の通勤通学時間帯(7~9時台)は門司港~荒尾間で見直しを実施。7時15分から8時45分のあいだに博多駅に到着する列車の場合、下り列車は改正前より2本減って13本に。上り列車も3本減って13本になる。提供定員数は改正前に比べ8~10%減少する。

7時15分~8時45分に折尾駅に到着する下り列車は改正前と同じ9本を確保するが、提供定員数は改正前より7%減。同時間帯に小倉駅に到着する上り列車は1本減って11本になり、提供定員数は改正前より7%減る。

日中時間帯(10~16時台)は小倉~荒木間の快速列車を廃止する。区間快速は鳥栖~大牟田間の快速区間を普通列車に変更。快速通過駅の乗車機会を増やすとともに、快速区間を福間~二日市間と福間~鳥栖間の2パターンに減らして分かりやすくするという。また、門司港~直方間を結ぶ鹿児島本線・筑豊本線の直通列車を運転する。

日中時間帯1時間あたりの運行体系イメージ。【画像:JR九州】

夕通勤通学・夜間時間帯(17~23時台)は小倉~荒尾間で運転本数や運転区間、時刻の見直しを実施。小倉駅と博多駅ではおおむね1時間当たり上下1本程度の減便になる。

深夜時間帯は最終列車の繰り上げを実施。博多→赤間行き最終列車の行き先を福間行きに短縮し、東郷駅と赤間駅の最終列車を30分ほど繰り上げる。小倉駅からの福間行き最終列車も東郷駅と福間駅で25分ほど繰り上がる。久留米→荒木・荒尾方面は羽犬塚→荒尾間の各駅で最終列車の時刻が20分ほど繰り上がる。

日豊本線の小倉寄りでは、計4本の普通列車を廃止。若松線と福北ゆたか線でも計6本の普通列車を廃止するほか、計2本の運転区間を短縮する。直方駅から博多方面への最終列車の時刻は飯塚~博多間の各駅で10分程度繰り上がる。

久大本線では筑後吉井6時24分発の大分行きを久留米始発に拡大して久留米~筑後吉井間で1本増発。日田6時11分発の久留米行きも鳥栖駅まで延長運転する。一方、久留米21時54分発の日田行きを廃止。久留米→日田行き最終列車の行き先を筑後吉井行きに変更し、うきは~日田間各駅の最終列車を1時間5分程度繰り上げる。

これ以外の各エリアでも減便や最終列車の繰り上げが行われる。熊本エリアの鹿児島本線・荒尾~玉名間では11~14時台の運転本数を毎時2本から毎時1本に減らす。長崎エリアでは長崎駅から諫早・竹松方面の最終列車の時刻が30分程度繰り上がる。

博多駅の利用状況の変化。【画像:JR九州】

鉄道の利用者数は2020年度に比べ一定の回復傾向にあるものの、コロナ禍前に比べ大幅に減少している状況が続いている。JR九州によると、2022年4・5月の博多駅の利用人員をコロナ禍前の2019年4・5月と比べた場合、朝から夕夜間にかけ20%前後の減少。深夜は36%減っているという。

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