長崎本線「並行在来線」普通列車増発、特急「かささぎ」デビュー 9月23日ダイヤ改正



JR九州は6月10日、西九州新幹線の開業にあわせ実施する9月23日ダイヤ改正の概要を発表した。西九州新幹線の並行在来線として上下分離方式の経営に移行する長崎本線・肥前山口(江北)~諫早間では、特急「かもめ」の廃止や特急「かささぎ」の新設、普通列車の増発などが行われる。

西九州新幹線の並行在来線区間にある肥前浜駅。電化区間と非電化区間の境界駅になる。【撮影:草町義和】

肥前山口~諫早間は佐賀県・長崎県が共同で設立した一般社団法人の佐賀・長崎鉄道管理センターが線路を保有し、JR九州は管理センターから線路を借りて列車を運行する上下分離方式に変わる。同時に肥前山口駅が江北駅に改称。肥前浜~諫早間は電化設備を撤去して非電化区間に変わる。上下分離方式に移行しない諫早~長崎間も非電化区間になる。

博多~長崎間を直通する在来線特急「かもめ」は、列車名を西九州新幹線に移す形で廃止。一方で門司港・小倉・博多~佐賀・肥前鹿島間を結ぶ特急「かささぎ」上下計17本が新設される。車両は885系6両編成と787系6・8両編成、783系8両編成を使用。肥前鹿島発着の「かささぎ」は上下各7本になる。

博多方面~肥前鹿島間は特急「かささぎ」が新設される。【撮影:草町義和】

観光列車は「36ぷらす3」の博多~長崎間での運行が終了。新しい観光列車「ふたつ星4047」が武雄温泉~長崎間(午前:長崎本線経由、午後:大村線経由)で運行される。

普通列車は佐賀方面~肥前浜間を直通する列車と、肥前浜~諫早・江北~諫早の各区間を走る列車、江北~長崎間を直通する列車、小長井~長崎間を直通する列車が運行される。

江北~長崎間の運行体系イメージ。【画像:JR九州】

このうち佐賀方面~肥前浜間を直通する列車は電車で運行。それ以外の非電化区間を含む区間を走る列車は、トイレなどをリニューアルした気動車のキハ47形で運行されるほか、小長井~長崎間では新型の電気式気動車YC1系も使われる。電化区間と非電化区間の境界となる肥前浜駅では、可能な限り同一ホームで乗換できるようにするという。

現在は電車の普通列車が停車する肥前大浦駅。ダイヤ改正で気動車に変わる。【撮影:草町義和】
小長井~長崎間ではYC1系も使われる。【撮影:草町義和】

江北~肥前鹿島間では普通列車を上下各3本増発し、江北駅で博多方面の特急列車に乗り継げるダイヤに。通勤通学時間帯には佐賀方面と長崎方面に直通する列車を運行する。ほかにも一部の区間で普通列車の増発や運転区間の延長を行う。

佐賀方面~肥前鹿島・肥前浜方面の直通列車本数は下り11本・上り13本。江北~多良方面の直通列車は下り5本・上り6本が運行される。湯江方面~長崎方面の直通列車は下り5本・上り4本になる。

長崎本線~大村線~佐世保線の快速「シーサイドライナー」は停車駅を見直し、新駅の大村車両基地駅と新大村駅を停車駅に追加。西諌早・市布・肥前古賀・現川の各駅は通勤時間帯に全列車が停車(現在は一部停車)するようにして、停車パターンを分かりやすくするという。

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