東武鉄道C11形「3重連」イベントツアー6月に 国内唯一「同一形式3両」動態保存



東武鉄道は6月19日、南栗橋車両管区(埼玉県久喜市)で「SL大樹3重連イベント」を開催する。このほど復元が完了した蒸気機関車C11形123号機に、従来から「SL大樹」を牽引しているC11形207・325号機の2両を加えた3両の連結運転を行う。

動態復元されたC11 123。【画像:東武トップツアーズ】

イベントは東武トップツアーズが企画した日帰りツアーとして実施。北千住駅から「デラックスロマンスカー」復刻塗装の特急電車100系「スペーシア」に乗車し、南栗橋車両管区に直接乗り入れる。南栗橋車両管区では、訓練線で運転するC11形3重連列車の乗車と撮影、ツアー参加者限定の鉄道グッズ販売会を実施。その後、特急電車350形に乗って北千住駅に戻る。

3重連の編成は、浅草寄りからC11 123+C11 207+C11 325+オハフ15 1+オハテ12 2+スハフ14 1+オハテ12 1+スハフ14 501になる。

当日の「3重連」列車の編成。【画像:東武鉄道】

旅行代金は大人2万円・子供1万9000円。5月23日11時から東武トップツアーズのウェブサイトで申込みを受け付ける。東武鉄道公式ファンクラブ会員は大人1万9000円で、5月19日11時から23日10時まで先行募集を行う。

このイベントツアーの開催に伴い、6月13~23日の11日間は「SL大樹」「SL大樹ふたら」「DL大樹」を運休する。

「SL大樹」は2017年8月に運行開始したSL列車。当初の牽引機はJR北海道から借り受けたC11 207の1両で、2020年12月には真岡鉄道から譲り受けたC11 325を加え2両体制になった。C11 123は江若鉄道(滋賀県)のC11形1号機として製造され雄別鉄道(北海道)などを経て引退。その後は静態保存されていたが、2018年に東武鉄道が「SL大樹」用として譲り受けた。整備の難航で動態復元が遅れたが、7月にも通常の営業運転が始まる予定だ。

東武鉄道によると、同一形式の蒸気機関車を3両動態保存するのは同社が国内唯一になるという。

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