北海道新幹線・札樽トンネル「桑園」工区が着工 地上と地下つなぐ四角いトンネル



鉄道・運輸機構は4月20日、北海道新幹線・新函館北斗~札幌間(2031年春開業予定)の「札樽トンネル(桑園)他工区」について、4月22日から本格的な工事を開始すると発表した。

桑園工区の現在の状況。【画像:鉄道・運輸機構】

桑園工区は札幌寄りの坑口(西8丁目線)から新小樽方面へ737mの到達立坑まで。到達立坑では全区間地下の札幌工区と接続し、地下と地上を結ぶアプローチ部になる。トンネルは四角い箱状の構造で、坑口付近は半地下構造(掘割式RCボックス部)、それ以外は地下埋設物(開削トンネル部)になる。現在は準備工事が行われている。

受注者は大成・伊藤・札建・豊松吉特定建設工事共同企業体で、契約期間は2021年7月14日~2027年11月30日。

桑園工区の坑口付近は半地下構造のトンネルになる。【画像:鉄道・運輸機構】
新小樽寄りは完全な地下トンネル。【画像:鉄道・運輸機構】

札樽トンネルは北海道新幹線・新小樽(仮称)~札幌間のトンネルの一つ。全長2万6230mで、新小樽寄りから石倉・銭函・星置・富岡・札幌・桑園の6工区に分かれている。このうち札幌工区と桑園工区はJR北海道の函館本線にほぼ並行する形で市街地の地下を通る。

札樽トンネルの札幌工区と桑園工区の位置。【画像:鉄道・運輸機構】

2020年11月から石倉工区(4554m)で掘削工事が始まり、札幌工区も1月からシールドマシンによる掘削が始まった。4月1日時点の掘削延長は石倉工区が702m、札幌工区が55m。このほか、富丘工区(4500m)で斜坑(900m)の掘削が行われており、4月1日時点で290mまで掘り進んだ。

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