豊肥本線「スポーツの森新駅」大津町は現状困難の認識 空港鉄道ルートにも影響か



熊本県大津町の金田英樹町長は豊肥本線・肥後大津~瀬田間の「スポーツの森新駅」の構想について、現状では設置が難しいとの認識を示した。3月15日の町議会で山部良二議員の質問に答えた。

豊肥本線と新駅(赤)の位置。熊本空港アクセス鉄道は三里木・原水・肥後大津の各駅から分岐するルート案が再検討されている。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

金田町長は「近年の請願駅の状況を見ると、利用者数1000人が一つの目安になっている。現在の予測では新駅の利用者数が330人で、仮に大津町が建設費を全額拠出したとしても、JRとの具体的な協議に至らないような状況」と話した。

その一方「町の中長期的な発展と町民の皆様の幸福につなげることを目的に、町民の意見も聞きながら周辺整備と一体的に取り組む必要がある」とし、周辺整備を進めるなかで新駅の整備も考えていく姿勢を示した。

大津町は2021年度に新駅の調査を実施。設置場所は勾配を5パーミル以内、カーブの半径を800m以内とし、ホームは長さ約50m(2両分)と幅2m以上を確保できることを条件に調べた。その結果、大津町運動公園「スポーツの森・大津」西側の森3号踏切を中心とした4カ所を選定。隣接駅からの距離は肥後大津駅から約2.8km、瀬田駅から約1.8kmになる。

新駅の1日の利用者数は、前回2004年の調査で150人とされたのに対し、今回の調査では倍以上の330人と推計された。新駅想定地の半径2km以内の人口が2004年の約4900人から2021年は約9000人に増えており、スポーツの森の利用者も増えているという。

このほか、山部議員は質問のなかで、熊本空港アクセス鉄道のルートに組み込む形で新駅を整備するという独自の案を提示した。これに対し金田町長は「中間駅の可能性も含めて熊本県にお願いしているところ。大津町としても複数の絵を描きながら、どの案に落ち着いても迅速かつ適切に対応できるよう体制を整えながら進めている」と話し、明確な考えは示さなかった。

新駅を熊本空港アクセス鉄道の肥後大津ルート(赤点線)に組み込んだ場合のイメージ。【撮影:草町義和、加工:鉄道プレスネット】

熊本空港アクセス鉄道は2019年2月、豊肥本線の三里木駅から熊本空港に至る三里木ルートを整備することで熊本県とJR九州が合意していた。その後、台湾の半導体メーカーの工場が熊本県菊陽町に整備されることが決まったことから、熊本県は改めて複数のルートを調査する必要があるとし、三里木駅に加え原水駅と肥後大津駅から分岐するルートについても再検討することに。2022年中には調査結果が示される予定だ。JR九州の青柳俊彦社長(現会長)は1月、肥後大津駅からの分岐するルートが望ましいとの考えを示している。

豊肥本線ではこのほか、熊本県菊陽町が三里木~原水間の新駅を構想。大分市も滝尾~大分間の新駅整備を構想している。

《関連記事》
熊本空港アクセス鉄道「ルート検討」熊本県が調査費計上、3ルートを再び調査へ
豊肥本線・三里木~原水「新駅」菊陽町がJRに要望書 台湾半導体メーカー進出に対応