JR九州「無人化」計画駅の一部が委託駅に 10駅で自治体などと協議中



JR九州は3月10日、駅員が終日不在になる「無人化」を計画している駅について、一部の駅で業務委託の契約に向け自治体などと調整中であることを発表した。

2016年から駅業務が地元の川崎町に委託されている日田彦山線の豊前川崎駅。【撮影:草町義和】

同社は昨年2021年12月、今年2022年3月12日に実施するダイヤ改正にあわせて29駅を無人化すると発表。これを受けて一部の自治体は無人化の回避に向け、JR九州と駅業務の委託について協議している。協議中の駅は次の10駅。JR九州は4月1日以降の業務委託に向け協議を進めているとしている。

●鹿児島本線
けやき台駅(佐賀県基山町)
長洲駅(熊本県長洲町)

●日豊本線
築城駅(福岡県築上町)
椎田駅(福岡県築上町)
大神駅(大分県日出町)
暘谷駅(大分県日出町)
日向住吉駅(宮崎市)※

●久大本線
天ヶ瀬駅(大分県日田市)

●筑肥線
浜崎駅(佐賀県唐津市)※

●日南線
飫肥駅(宮崎県日南市)※

※=2021年12月より前から駅の業務委託に向け協議を進めていた駅(2021年12月発表の29駅には含まれていない)

委託する業務内容は現在、各自治体などと調整中。各駅の営業時間などは決まり次第、駅頭のポスターなどで案内する。これ以外の無人化が計画されている駅についても、JR九州は3月31日まで同社グループの社員が案内業務などを行うとしている。

日田彦山線の豊前川崎駅。【撮影:草町義和】

JR九州は利用者や収入の減少を受け、コロナ禍前から駅の無人化を進めている。日田彦山線・豊前川崎駅(福岡県川崎町)の場合は2015年夏頃、JR九州が川崎町に無人化を打診。川崎町は駅周辺の商店街再生を目指していたことから、引き続き駅員のいる有人駅として維持するようJR九州と協議し、JR九州が駅業務を川崎町に委託することで合意した。

駅業務の委託は2016年4月からスタート。川崎町は駅業務を担う臨時職員を雇用し、2016年度当初予算案では人件費として443万円を計上した。

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