つくばエクスプレス「延伸」茨城県が4案の一本化を検討 「どっちつかず」解消図る



茨城県の大井川和彦知事は2月17日、つくばエクスプレス線(TX)の延伸に向けた調査・検討の費用を来年度2022年度当初予算案に計上したと発表した。複数ある茨城県内の延伸案を一本化する。

つくばエクスプレス線の列車。【撮影:草町義和】

TXは秋葉原(東京都千代田区)~つくば(茨城県つくば市)間の58.3kmを結ぶ通勤鉄道。第三セクターの首都圏新都市鉄道が運営している。茨城県内では筑波山・水戸・茨城空港・土浦の4方面に延伸する案が浮上している。

《続報記事》
つくばエクスプレス茨城延伸「土浦」一本化で次の段階へ 大幅赤字、費用便益比も悪く(2023年4月3日)

大井川知事は「TX延伸を巡る環境というのは、調べれば調べるほど難しい事業」とし、事業費や採算性に課題があることを示唆。一方で「四つの延伸案が併存しているどっちつかずの状況では、さらに前に進めることは非常に難しい」とし、延伸の形態を議論するための調査が必要との認識を示した。

TXの茨城県内延伸案。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

TXは秋葉原駅から東京駅への延伸も構想されている。2016年に国土交通大臣の交通政策審議会が答申した『東京圏における今後の都市鉄道のあり方について』(交政審198号答申)では、TXの東京駅延伸と都心部・臨海地域地下鉄を一体的に整備し、相互直通運転を行うことが盛り込まれている。

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