長万部~小樽「鉄道」「バス」北海道新幹線の並行在来線、沿線市町の意見分かれる



北海道新幹線の札幌延伸(2030年度末開業予定)にあわせてJR北海道から経営分離される函館本線・函館~長万部~小樽間のうち、後志エリア(長万部~小樽)の沿線自治体による会議が12月27日に開かれた。各自治体は経営分離後の経営体制について、それぞれの意見を表明した。

函館本線の余市駅。【画像:mynon/写真AC】

後志エリアの9市町のうち、余市町は小樽方面への通勤・通学利用者が多いとして鉄道維持を主張。一方で長万部・倶知安・共和・仁木の4町はバス転換を容認する意見を表明し、意見が分かれた。残る小樽市と黒松内町、蘭越町、ニセコ町は議会や住民への説明の時間が必要として保留した。

北海道新幹線(赤)と函館本線の長万部~小樽間(青)。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

長万部~小樽間の経営分離はこれまで、第三セクター化による鉄道維持やバス転換が検討されている。同区間の輸送密度(2018年度)は全体で625人。このうち小樽方面への通勤・通学客が多い余市~小樽間は2144人だが、倶知安~余市間は761人で1000人を割り込んでいる。長万部~倶知安間は182人。

11月に北海道が報告した収支予測によると、単年度収支(2040年度)は全区間を第三セクター鉄道として維持した場合で23億5000万円の赤字。全区間のバス転換は1億円の赤字とされた。一方、長万部~余市間をバス、余市~小樽間を第三セクター鉄道とした場合、2040年度の単年度収支は全体で6億円の赤字とされた。

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