JR北海道は11月10日、新型の除雪車両「キヤ291形ラッセル気動車」1両を製作し、本年度2021年度冬季から石北本線に導入して除雪状況などの確認を行うと発表した。愛称は「Vermilion Russel(バーミリオン・ラッセル=朱色のラッセル車)」。
総工費は約5億7000万円。車両の両端に固定式の除雪装置を設置した。除雪装置はDE15形ディーゼル機関車のラッセル車と同じ構造で、その性能もDE15形と同じにした。
その一方、除雪作業やメンテナンス作業を支援するための各種装置を搭載。GPSによる除雪車両操作支援装置や、除雪装置の状態を撮影して運転室内で確認できるようにするためのカメラ、除雪装置やエンジンなどの動作状況を画面に表示するモニターを設置した。
JR北海道によると、同社は車両の両端にラッセル車を装着できるDE15形を各拠点に12両配備しているほか、DE15形より小型の除雪作業車117台を併用して除雪体制を整えている。このうちDE15形は1972~1980年に製造されたもので、すでに41~49年が経過。老朽化による車体の腐食や使用部品の生産中止などにより継続使用が困難になっているという。
こうしたことからJR北海道は今後、キヤ291形の導入を進めてDE15形を引退させるとみられる。
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