久大本線の新観光列車「畳個室」に「樹齢250年の杉」内外装のデザイン公表



JR九州は2月19日、久大本線(福岡県・大分県)で新たに運行する観光列車「かんぱち・いちろく」に導入する車両の外観・内装やレイアウト、ロゴマークを発表した。春から営業運転を開始する予定。

「かんぱち・いちろく」に導入される車両の外観イメージ。【画像:JR九州】

ロゴマーク。【画像:JR九州】

全車グリーン車の3両編成で全体の定員は60人。車体は艶のある黒をベースとした。久大本線をモチーフにした「ゴールドライン」をあしらい、上下には久大本線の駅名による「エッジライン」を描いた。車体に久大本線沿線の景色が映り込むことで、車両全体で雄大な風景を表現するようデザインしたという。

ロゴマークは沿線の由布岳をモチーフにした冠が漢数字の「八」を表現。沿線を流れる川をイメージした漢数字の「一」を六つ並べて数字の「六」を表現した。

大分寄り1号車は、畳個室(定員6人1室)とソファ席(定員3人5席)、半個室タイプのボックス席(定員6人1席と定員4人1席)を配置した。大分・別府エリアの風土をモチーフにデザインし、火山や温泉をイメージさせる。ソファ席は大分の県旗にも使われる赤をベースとした温かい色味でデザイン。テーブルには大分産の杉を用い、天井や手すりも杉板で統一している。

編成全体の側面イメージとレイアウト。【画像:JR九州】
大分寄り1号車のレイアウト。【画像:JR九州】
1号車の車内イメージ。【画像:JR九州】

博多寄り3号車は定員6人の畳個室1室にボックス席(定員4人3席と定員3人1席、定員2人4席)を配置。福岡・久留米エリアの風土をモチーフとし、沿線の平野や山々をイメージさせる緑色と、福岡の県章にも使われる青をベースにデザインした。テーブルには福岡産の杉を用いた。

博多寄り3号車のレイアウト。【画像:JR九州】
3号車の畳個室のイメージ。【画像:JR九州】
3号車の車内イメージ。【画像:JR九州】

中間の2号車は「ラウンジ杉」と名付けた乗客共用スペース。ビュッフェ設備も兼ね備えており、久大本線沿線の飲食類やオリジナルグッズを販売する。由布院 ・日田エリアの風土をモチーフにデザインし、樹齢約250年の杉の一枚板カウンターと日田の底霧をイメージした天井が日田の自然を表現した。一枚板カウンターの端部にはミラーサイネージを設置し、沿線の紹介動画などを楽しめるようにする。

中間2号車のレイアウト。【画像:JR九州】
2号車の車内イメージ。【画像:JR九州】

「いちろく・かんぱち」は博多~由布院・別府を結ぶ新しい観光列車。列車種別は特急で、編成の1・3号車は特急「いさぶろう・しんぺい」で運用されていたキハ47形気動車の改造車2両を改めて改造し、2号車はキハ125形気動車1両を改造する。デザインは鹿児島の建築デザイン会社「IFOO(イフー)」が担当した。

JR九州は昨年2023年5月に新しい観光列車の運行を発表し、これまで列車名や運行時刻、停車駅などを順次発表していた。運行開始は今年2024年春の予定。

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