三重県亀山市が提案したリニア中央新幹線「三重県駅」の候補地について、三重県は来年2022年2月頃にも調査結果をまとめる考えを明らかにした。
三重県地域連携部の山口武美部長が今年2021年12月2日、県議会定例会で明らかにした。
それによると、亀山市の提案を受け、専門的見地から総合的に検証するため、有識者に調査を依頼。名城大学の松本幸正教授(交通工学)には、中央新幹線全線開通後の三重県・首都圏からの交通行動の変化について、アンケート調査に基づく分析を依頼した。南山大学副学長で交通マネジネントが専門の奥田隆明教授にも、外国人観光客の県内周遊観光の分析などを依頼している。
このほか、国内新幹線駅の事例をもとにリニア駅周辺の土地利用の予測、三重県駅へのアクセスと所要時間の分析、アンケート調査の分析などを、5人の有識者に行ってもらっている。早ければ2022年2月頃には分析・調査結果がまとまる予定。本年度2021年度中にはリニア中央新幹線建設促進三重県期成同盟会の会員である市町や商工会議所、観光関係の団体などを対象にした報告会を開催するという。
また、調査結果を踏まえて各候補地案のメリット・デメリットを整理し、来年2022年夏に開催予定の県同盟会の総会に向けて市町や経済団体の方々などと候補地の考え方について意見交換を行っていくとした。
中央新幹線の名古屋~新大阪間は未着工だが、JR東海は2037年の開業を目指している。三重県の亀山市内に駅を整備することが考えられており、亀山市は2021年10月、駅の候補地として、(1)関西本線・井田川駅、(2)紀勢本線・下庄駅、(3)東名阪自動車道・亀山インターチェンジをそれぞれ中心とした直径5kmの候補地域3案を提案した。
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