鉄道事故「過去30年で最少」運休・遅延は増加傾向



国土交通省の鉄道局は10月22日、2020年度の鉄道事故や輸送障害などの状況を公表したと発表した。運転事故件数は過去30年間で最少。運休・遅延などの輸送障害は増加した。

運転事故件数は483件で、前年度2019年度より132件減った。このうち列車事故は前年度より6件少ない9件。衝突事故は1件多い3件で、脱線事故は7件少ない6件だった。このほか、踏切事故が165件(46件減)、道路障害事故が25件(13件減)、人身障害事故が283件(68件減)だった。

運転事故による死傷者数は、前年度より196人少ない416人。このうち死亡者数は17人少ない237人だった。乗客の死亡事故はなかった。

一方、列車の運休や旅客列車の30分以上の遅延などによる輸送障害は長期的に増加傾向で、2020年度は6216件。前年度2019年度に比べ550件増えた。

鉄道係員・車両・施設など「部内原因」に起因する輸送障害は1396件で全体の22.5%を占めたが、前年度に比べ38件減った。逆に線路内立入などの「部外原因」は3009件で全体48.4%を占めており、前年度に比べ322件増えた。自然災害が原因の輸送障害は1811件で、前年度に比べ266件増えた。

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