近鉄観光特急「あをによし」大阪~奈良~京都で運行 「高級感」車内イメージも発表



近鉄は10月8日、大阪難波~近鉄奈良~京都間を結ぶ観光特急「あをによし」を運行すると発表した。従来の特急型電車を改造した4両編成の専用車両で運行する。車両の内外装のイメージも同時に発表した。

観光特急「あをによし」の外装イメージ。12200系を改造する。【画像:近鉄】

改造するのは12200系特急型電車。「あをによし」は世界遺産や国宝が数多く存在する古都・奈良にかかる枕詞にちなむ。

内外装は高級感のあるデザインを採用するとしている。外装は天平時代の高貴な色とされる紫色のメタリック塗装を施し、天平文様をあしらう。内装は正倉院の宝物をモチーフにした天平文様などのデザインを多用。「乗った瞬間から歴史、文化を感じられる」ようにするという。

座席は1+1列で配置するツインシートと、3~4人用のサロンシートの2種類。2号車には軽食・飲料などを提供する販売カウンターを設ける。定員は84人で全席指定。投資額は約3億3000万円だ。

4両の座席レイアウト。【画像:近鉄】
1・3・4号車のツインシートのイメージ。【画像:近鉄】
2号車のサロンシートのイメージ。【画像:近鉄】
販売カウンターのイメージ。【画像:近鉄】

朝に大阪難波→京都間、夕方に京都→大阪難波間で運転し、いずれも近鉄奈良駅を経由する。そのあいだの日中は京都~近鉄奈良間を2往復する。停車駅は大阪難波・大阪上本町・鶴橋・生駒・学園前・近鉄奈良・大和西大寺・近鉄丹波橋・京都の各駅。

週6日の運行を予定。週1回運休するが、春休みや夏休み、ゴールデンウィークなどは運行する日もある。運行時刻の概略は次の通り。詳細な運行時刻や利用料金は未定だ。運行開始は来年2022年4月29日の予定。

・大阪難波9時30分頃→(近鉄奈良経由)→京都10時50分頃
・京都11時20分頃→近鉄奈良11時55分頃
・近鉄奈良12時10分頃→京都12時45分頃
・京都13時20分頃→近鉄奈良13時55分頃
・近鉄奈良14時10分頃→京都14時45分頃
・京都15時20分頃→(近鉄奈良経由)→大阪難波16時40分頃

近鉄グループの持株会社である近鉄グループホールディングスは、今年2021年5月14日に発表した同社グループの中期経営計画に「2022年以降、新たな観光特急の運行を計画中」という文言を盛り込んでいた。

《関連記事》
近鉄「新たな観光特急」運行へ 中計明記、夢洲直通は検討継続、フリーゲージ触れず
近畿車両「第三軌条」「架線」直通列車向けの特許を出願 近鉄の構想を視野に開発か