横浜駅~大黒ふ頭に「リムジン特急」10月から 現金では乗れない市営バス



109系統の特急で使われるリムジン型車両。【画像:横浜市交通局】

横浜駅と大黒ふ頭を結ぶ横浜市営バスの109系統に「特急」が新設される。ダイヤ改正が行われる10月1日から運転を開始。キャッシュレスによる運賃収受の実証実験も行う。

109系統は大黒ふ頭の倉庫会社などで働く通勤客を運んでいる路線バス。特急は平日のみの運転で、朝に横浜駅前→大黒税関正門前・C3バース方向へ9便、夕方にスカイウォーク前・大黒海づり公園→横浜駅前方向へ8便が運転される。横浜駅~大黒ふ頭間はノンストップ。大黒ふ頭内は各停留所に停車する。

市営の路線バスだが、観光バスタイプの車両(リムジン型車両)を使用し、座席は定員制(先着順・予約不可)。横浜ベイブリッジは上層部の首都高速道路湾岸線を走る。横浜市交通局はこれにより、速達性と快適性が向上するとしている。

リムジン型車両の車内。【画像:横浜市交通局】

この特急の運行では、横浜市交通局や横浜銀行、三井住友カード、ビザ・ワールドワイド・ジャパンなどによるキャッシュレス運賃収受の実証実験も行われる。運賃額は通常の市営バスと同じ大人220円・子供110円だが、現金支払いで乗ることはできない。ビザ・ワールドワイド・ジャパンが展開している「VISAタッチ決済」や、交通系ICカード「PASMO」「Suica」、定期券、1日乗車券などで利用できる。

運行期間は来年2022年9月30日まで1年間の予定。「VISAタッチ決済」をPRするラッピング車両も一部使われる。

109系統特急の一部のバスは「VISAタッチ決済」をPRするラッピングバスで運行される。【画像:横浜市交通局】

「VISAタッチ決済」は、非接触対応の「VISAカード」をカードリーダーにタッチすると支払いが完了するキャッシュレス決済サービス。鉄道・バスの運賃収受では南海電鉄や京都丹後鉄道、京福バスなどが導入している。

関係各者によると、首都圏を運行する路線バス(高速バスを除く)の運賃収受で「VISAタッチ決済」が導入されるのは、横浜市営バスの109系統特急が初めての試み。今後は今年2021年冬をめどに「あかいくつ」などの観光系路線でも、従来の現金・交通系ICカードでの利用に加えて「VISAタッチ決済」を利用できる実証実験を行う予定という。

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