新潟市は越後線・白山~新潟間に上所(かみところ)駅(仮称、中央区)を設ける方向で検討を進めている。JR東日本と連携して概略設計を本年度2021年度後半にも完了させる予定だが、新潟市内にはほかにも新駅の構想がいくつかある。
比較的実現の可能性が高くなっているのが、信越本線・荻川~亀田間の江南駅(仮称)。江南区二本木地区に設けることが考えられており、隣接駅からの距離は荻川駅から約2.1km、亀田駅から約2.8kmの地点になるとみられる。周辺の土地区画整理事業と一体的に整備し、パーク&ライド駐車場を設ける。また、未開通の新潟中央環状道路が江南駅予定地付近で信越本線の線路と交差する。
二本木地区は新潟市に合併する前は横越村→横越町のエリアだった。新駅の構想は遅くとも横越村時代の1980年代からあったが、新潟市との合併(2005年)に際して策定された建設計画に盛り込まれたのを機に、建設の機運が高まった。
2007年に地権者が土地区画整理組合を設立するための準備組合を設立。農地法や都市計画法に基づく土地区画整理事業の手続きが進んでいなかったが、新潟市の2018年度予算に江南駅の調査費が盛り込まれ、具体化に向け一歩踏み出した。
このほか、新津南駅(秋葉区)と上沼垂(かみぬったり)駅(中央区)の構想(いずれも仮称)があり、2005年に新潟都市圏総合都市計画協議会がパーソントリップ調査に基づきまとめた「新潟都市圏の都市交通のすがた」で、各新駅の設置が盛り込まれている。しかし、いずれも具体化に向けた本格的な動きは見られない。
「すがた」の計画図によると、新津南駅は古津~新津間に設置。上沼垂駅は、信越本線とその貨物支線、白新線が合流、分岐する上沼垂信号場付近に整備することが想定されているようだ。仮に上沼垂信号場と同じ場所に上沼垂駅が整備され、信越本線と白新線のホームが設けられれば、信越本線・白新線の旅客営業上の接続地点が現在の新潟駅から上沼垂駅に移るかもしれない。
ここまで挙げた四つの新駅のうち、駅周辺の人口密度が最も高いのは上沼垂駅とみられ、本来なら同駅の整備が最優先で進められてもおかしくない。ただ、2013年に新潟市の篠田昭市長(当時)が「候補地周辺に信号場、JR貨物線、電車留置線の機能があることで線路構造が複雑になっていることから、駅整備にかなりほかとは違う課題も見込まれる状況」と市議会で答弁しており、工事費もほかの3駅に比べると高くなりそうだ。
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