大分のホーバークラフト「グリフォン」で復活へ 2023年以降の運航開始目指す



ホーバークラフト製造会社の英グリフォン・ホバーワークのウェブサイト。

大分県は8月12日、大分市と大分空港(国東市)を結ぶホーバークラフトの船体調達の一般競争入札を実施し、英国のグリフォン・ホバーワークが落札した。2023年以降の運航開始を目指す。

船体調達の一般競争入札は今年2021年7月に公告。日本国内ではホーバークラフトが現在製造されておらず、海外でも旅客用のホーバークラフトを製造できるメーカーは少ないとみられ、入札に参加したのはグリフォン1社だけだった。落札額は3隻で合計41億6000万円。今後、大分県はグリフォンと仮契約を締結し、県議会の承認を経て正式に契約を締結する。1隻目は2023年7月にも納入される見込みだ。

大分県の仕様書によると、ホーバークラフトは長さ約27m、幅約13m。旅客の最大定員は80人以上で、すべての客席にシートベルトを設置し、車椅子スペースも1カ所以上設けるとしている。

日本では2009年、大分市と大分空港を結ぶホーバークラフトが運航を終了したのを最後に、旅客運航のホーバークラフト定期航路は消滅していた。大分空港の利用者が増加したことを受け、大分県はホーバークラフト航路の復活も含め海上アクセス導入の検討を実施。昨年2020年3月にはホーバークラフトの導入案を「最も有効かつ効果的」とした調査結果をまとめ、ホーバークラフト航路の復活を決めた。

同年11月にはタクシー事業を全国展開している第一交通産業(北九州市)が運航事業者に決定。同社が大分県から船体を借り入れて運航し、旅客ターミナルなどは大分県が整備する上下分離方式で運営する。

《関連記事》
大分空港ホーバークラフトが2023年にも「復活」か 大分県が調査結果まとめる
横須賀~九州フェリー「はまゆう」「それいゆ」7月から 露天風呂やバーベキューも