愛知県などで構成されるリニア中央新幹線建設促進愛知県期成同盟会は8月10日、静岡工区の早期着手などを求める決議を採択した。
決議では静岡工区について、国とJR東海に対し「関係者との協議を積極的に進め、早期着手を図ること」とした。その一方で「工事の安全と環境の保全に万全を期し、丁寧な説明と適切な情報提供などを行い、地域の理解を得ながら進めるとともに、地域の事業者を活用するなど地域の活性化に資するよう努めること」とし、静岡県への配慮もにじませている。
このほか、名古屋駅に整備についても言及。「乗換利便性の向上や、駅函体上部空間の有効活用等について地域の意向を十分尊重すること」「公共交通機関相互の乗換利便性の向上を図る『名古屋駅のスーパーターミナル化』について、地域一丸となって推進しているところであり、国がこれを強力に支援すること」とした。
期成同盟会はこの決議を踏まえ、秋頃をめどに国などへの要望活動を実施する予定だ。
リニア中央新幹線は2027年の品川~名古屋間の開業を目指して工事中だが、山梨・静岡・長野3県の山岳地帯を貫く南アルプストンネル(仮称)が大井川水系の源流域を通るため、静岡県は同水系の水量減少の可能性を理由に工事に同意していない。このため2027年の品川~名古屋間の開業は困難な情勢になっている。
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