上越線の土合駅で「グランピング」 下りホームは「日本一のモグラ駅」



上越線の土合駅に設けられるグランピング施設のイメージ。【画像:JR東日本スタートアップ】

JR東日本グループなどは2月12日から3月22日まで、上越線の土合駅(群馬県みなかみ町)で「グランピング施設」の実証実験を実施する。

簡易な宿泊施設「モグラハウス」を設置。一般的なテントに比べ頑丈で断熱性に優れているという特殊なテントを設置して、テント内からは電車が見えるようにする。全2室で収容人数は2人から。宿泊料金は1人あたり1万8000円(税別)になる。

土合駅の駅舎内にはラウンジ「モグCafe」を設置。営業時間は7時~18時までの予定で、おにぎりやみそ汁、コーヒー、ビールなどを販売する。このほか、野外ロウリュサウナも設置する。

土合駅は群馬県北部の新潟県との県境に近い山岳地帯の駅。谷川岳の登山ルートの最寄り駅で、利用者の多くが登山客だ。上りホームが地上にあるのに対し、下りホームは地上から約70mの低さにある新清水トンネル内に設けられており、駅舎からホームまでは徒歩で約10分かかることから「日本一のモグラ駅」と呼ばれることもある。

かつては駅員のいる有人駅だったが、現在は無人駅。JR東日本エリアの無人駅でグランピング施設が展開されるのは、これが初めてという。

グランピング施設は「glamorous」(グラマラス=魅惑的な)と「camping」(キャンピング=キャンプすること)を組み合わせた造語。日本グランピング協会は「テント設営や食事の準備などの煩わしさから旅行者を解放した『良い所取りの自然体験』に与えられた名称」と説明している。

JR東日本などは、無人駅の活性化策のひとつとして土合駅でのグランピング施設の実証実験を行う方針。「旅行者や登山者の方だけでなく、地元の方でも気軽に立ち寄れる、多くの人が集う地域交流が盛んな場を生み出し、地域の活性化を目指します」としている。

土合駅の上りホーム。【撮影:草町義和】
下りホームは地下の新清水トンネル内に設けられている。【撮影:草町義和】