京阪電鉄「大幅減便」9月25日ダイヤ改正 「ライナー」増発や最終列車繰り上げも



京阪本線の列車。【撮影:草町義和】

京阪電鉄は7月8日、ダイヤ改正を9月25日に実施すると発表した。利用者の減少や保守作業の時間確保を図るため、大幅な減便や最終列車の繰り上げを行う。

京阪本線・鴨東線・中之島線・交野線 ・宇治線(京阪線)の平日ダイヤは減便や最終列車の繰り上げを実施。朝ラッシュ時の7時台から8時台に到着する下り列車(淀屋橋・中之島行き)の運転本数を63本から5本減らして58本に変更する。

昼間の10時~15時台頃も減便。淀屋橋発・出町柳発の場合、現在は特急6本・準急6本の計12本だが、改正後は特急4本・快速急行2本・準急4本の計10本に。中之島発や交野線・宇治線は普通6本から普通4本に変更される。このうち快速急行は1時間あたり2本運転し、「プレミアムカー」サービスを実施する。

夕方ラッシュ時間以降の運転間隔は、17時~20時台がいまより2分拡大して12分に。22時台は3分拡大して15分になる。最終列車は平日ダイヤの場合、最大で20分程度を繰り上げる。

一方、全車両が座席指定の列車「ライナー」は平日朝夕ラッシュ時に3本増発。京阪電鉄はこれにより座席指定サービスの拡充を図るとしている。早朝の始発列車は中之島発がいまより12分繰り上げて5時00分発とする一方、淀屋橋発は29分繰り下げて5時33分発に変更する。

土曜・休日ダイヤもすべての時間帯で見直しを実施。昼間時間帯と最終列車の繰り上げは平日ダイヤに準じる。

京津線・石山坂本線(大津線)の平日ダイヤは、石山坂本線で昼間時間帯の一部列車の運転区間を見直す。現在は石山寺~坂本比叡山口間を10分間隔で運転しているが、石山寺~坂本比叡山口間を運転する列車と石山寺~近江神宮前間を運転する列車を10分間隔で交互に運転する。始発・最終列車の変更は行わない。土曜・休日も平日ダイヤに準じて昼間時間帯の見直しを行う。

このほか、石山坂本線では今年2021年冬以降、沿線の学校が休みになる春季・夏季・冬季期間の平日に「学休期ダイヤ」を実施。7時~9時台の運転本数を減らす計画だ。

京阪電鉄によると、京阪線の1日あたりの輸送人員(2021年4月の特定調査日)は、新型コロナウイルスの感染が拡大する前の2019年に比べ、平日で29.1%の減少。土曜・休日も38%減少している。とくに昼間時間帯(10時~15時台)と深夜時間帯(24時以降)の減少率が高く、昼間時間帯の平日で41.7%減、深夜時間帯も平日69.9%減となっている。これを受けて同社は列車の運転本数を見直すとしている。

一方、営業時間外の深夜から未明にかけて行っている保守作業は、鉄道施設の種類の増加や高機能・多機能化により作業量が増加しているほか、慢性的な人材不足で作業に従事する作業員の安定的な確保が難しくなっている。京阪電鉄は最終列車の繰り上げにより作業時間を確保することで作業日数を減らし、必要な労働力の低減や労働環境の改善による人材確保を目指す。

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