栃木県の真岡市は2月8日、2021年度当初予算案を発表した。一般会計は2020年度当初予算に比べ4.1%減の338億円。鉄道関係では「広域的移動需要調査及びLRT接続検討業務委託費」として650万円を新たに計上した。「芳賀・宇都宮LRT」(宇都宮ライトレール線)の真岡への延伸の可能性などを調査する。
宇都宮ライトレール線は、宇都宮市域と中心に東西に横断する路面電車タイプの軽量軌道交通(LRT)。全体計画は宇都宮市内の桜通り十文字付近からJR宇都宮駅を経由して芳賀町内の芳賀・高根沢工業団地を結ぶ約18km。
このうち東側のJR宇都宮駅東口停留場(仮称)から芳賀・高根沢工業団地内の本田技研北門停留場(仮称)を結ぶ14.6kmの区間が工事中(2023年3月開業予定)だ。宇都宮市と芳賀町が軌道を整備、保有し、第三セクターの宇都宮ライトレールが運営する。
宇都宮市は今後、全体計画区間のうち残る西側区間の整備に向け検討を進める方針。芳賀町も芳賀・高根沢工業団地からさらに東へ進んで同町の祖母井地区への延伸を構想している。
宇都宮ライトレール線は1990年代前半に浮上した、宇都宮エリアを東西に横断する新交通システム構想が直接の起源だが、1993年2月には当時の真岡市長が新交通システムの構想について、鹿沼から宇都宮を経由して芳賀工業団地や井頭公園、真岡を結ぶルートの検討を提案したことがある。
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