仙台地下鉄南北線「延伸」仙台市長、課題を富谷市に伝える考え 選挙結果受け



仙台市の郡和子市長は2月1日、富谷市の市長選で争点になった仙台市営地下鉄南北線の富谷市内への延伸について、延伸の課題を富谷市に説明する考えを示した。

仙台市営地下鉄南北線の列車。【画像:時の記録者/写真AC】

郡市長は「(市長に当選した)若生氏は選挙では『地下鉄』とはっきり言っておらず、『基幹交通』というような言い方をしていた。『地下鉄ありき』という考えではないものと受け止めている」と話し、地下鉄の整備を前提としたものではないとの認識を示した。

そのうえで「(富谷市の取組や試算を見て)需要予測や事業費など、いくつか課題があると感じる」とし、「富谷市から仙台市に意見が寄せられた場合には(課題を)正式に伝えなくてはいけないなと思う」と話した。

富谷市は仙台北郊の住宅地として発展。国勢調査によると1970年の人口は5000人弱だったのに対し、2015年は10倍以上の約5万2000人に膨らんでいる。

今年2023年1月29日に投開票された市長選では、現職の若生裕俊氏と新人の荒谷敏氏が立候補。若生氏が南北線の泉中央駅(仙台市泉区)と富谷市内を結ぶ基幹公共交通システムの整備促進を掲げたのに対し、荒谷氏は地下鉄延伸を断念してバス運賃の引き下げなどを行うと主張。若生氏が3選を果たした。

富谷市による仙台市営地下鉄南北線の延伸構想で想定されるルート(赤)。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

富谷市が2021年度に実施した調査結果によると、地下鉄を延伸する場合の整備区間は泉中央駅から富谷市明石台までの約3.4km。整備費は単線の場合で308~405億円になるとしている。

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