「日高を走らない日高本線」確定 4月1日付けで鵡川~様似間が廃止、JR北海道が届出



JR北海道は1月5日、災害で運休中の日高本線・鵡川~様似間116.0kmについて、廃止日の繰り上げを国土交通大臣に届け出た。同区間の4月1日付け廃止が確定した。100km以上の線区が一度に廃止されるのは、2018年に廃止されたJR西日本の三江線(島根県・広島県)以来、3年ぶり。

日高本線の廃止される区間にある日高三石駅。【画像:まこりげ/写真AC】

日高本線は、室蘭本線の苫小牧駅から海岸沿いに南東へ進み、襟裳岬の約30km手前の様似駅に至る、全長146.5kmのローカル線。2015年1月、厚賀~大狩部間の線路脇で高波による土砂流出が発生し、同区間を含む鵡川~様似間が長期運休の状態に。バスによる代行輸送が続いている。

利用者が非常に少なく、復旧には膨大な費用がかかることから、JR北海道は同区間の復旧を断念して廃止することを決定。昨年2020年10月27日、今年2021年11月1日付けで廃止すると届け出たが、国交相が廃止の前倒しを認めた場合は4月1日付けで廃止する方針を示していた。12月28日、国交相は廃止日の前倒しを認め、これを受けてJR北海道は廃止日の前倒しを届け出た。

鵡川~様似間の廃止により、日高本線の営業区間は胆振総合振興局内の苫小牧~鵡川間30.5kmに縮小。線名とは異なり日高振興局内を走らない路線になる。

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