多摩モノレールあきる野延伸求める市民団体が発足



東京都あきる野市で多摩都市モノレール線(多摩モノレール)の延伸を求める市民団体「モノレールを呼ぼうあきる野の会」の準備会が11月6日、発足した。

多摩モノレールの構想。上北台~箱根ケ崎間(青)の事業化が決まり、それ以外の次期整備路線(赤)や構想路線(ピンク)は事業化のめどが立っていない。【画像:国土地理院地図/加工:鉄道プレスネット編集部】

市町内会自治会連合会の網代和夫会長が準備会の会長に就任。同日、あきる野市の村木英幸市長に対し、モノレール延伸構想に積極的に取り組むよう要望書を提出した。

多摩モノレールは1981年度に実施された基本計画の調査で、全長約93kmに及ぶ構想がまとめられた。この構想のうち、箱根ケ崎~八王子間のルートがあきる野市を通る。JR五日市線が同市内の東西を結んでいるのに対し、モノレールは南北を結ぶルートになる。

多摩モノレールは上北台~立川北~多摩センター間の16.0kmが、1998年から2000年にかけ開業。東京都は上北台~箱根ケ崎間と多摩センター~町田・八王子間を次期整備路線としており、交通政策審議会が2016年に答申した東京圏の鉄道ネットワークのあり方(交政審198号答申)にも盛り込まれた。このうち上北台~箱根ケ崎間の事業化が今年2020年に決まり、軌道や駅の基本設計が進められている。

多摩センター~町田間は導入空間の確保が進められている段階で、事業化は決まっていない。多摩センター~八王子間も導入空間の確保が行われているが、交政審198号では事業性に課題があるとされている。

上北台~箱根ケ崎間の事業化が決まったことで、このルートに接続する箱根ケ崎~八王子間の沿線市町でもモノレールの整備を求める声が強まってきた。一方、箱根ケ崎~八王子間は次期整備路線から外れており、交政審198号にも盛り込まれていない。数十年以内の実現の可能性は低いとみられる。