埼玉高速鉄道の延伸「中間駅」歩行者道路・公園で大学と連絡 基本方針案まとまる



さいたま市は地下鉄7号線(埼玉高速鉄道線)の先行延伸区間に設ける「中間駅」周辺のまちづくり基本方針案をまとめた。1月20日から沿線住民向けの説明会を開催する。

埼玉高速鉄道線の現在の終点・浦和美園駅。【撮影:草町義和】

先行延伸区間は浦和美園駅から岩槻まで約7km。岩槻区浮谷付近に中間駅を設置することが想定されている。さいたま市は昨年2022年7月に有識者会議を設置して中間駅周辺のまちづくりのあり方を議論。12月21日に市議会の特別委員会で基本方針案を報告した。

基本方針案のイメージなどによると、埼玉高速鉄道線は目白大学さいたま岩槻キャンパス(岩槻区浮谷)の東側から北寄りへ高架線で抜けるルート。中間駅から南下して目白大学に伸びる歩行者専用道路と公園を整備し、ウォーカブル(「歩きやすい」「歩きたくなる」「歩くのが楽しい」などの意味を示す造語)で居心地のいいオープンスペースとすることを目指す。

駅周辺地域は産業エリアと住宅エリアを配置。産業エリアは目白大学の健康医療分野や周辺地区の特性を活かしながら産業の誘致を図る。住宅エリアは「戸建エリア」「集合住宅エリア」「ゆとり居住エリア」の三つに分けて配置。ゆとり居住エリアはリモートワークや小商いなどができる住宅街区を形成する。

中間駅の駅前には駅前広場のほかモビリティ拠点を整備。地区周辺の移動を想定したシェアサイクルや超小型モビリティなどの拠点機能を持たせ、切れ目の無い移動手段を用意する。地区外からの道路交通アクセスは、既存の県道から駅前広場に最短距離でアクセスできるようにし、地区内を通過する交通流動をできるだけ排除するものとした。

中間周辺の土地利用配置方針と基盤整備のイメージ。【画像:さいたま市】

説明会は1月20日から28日にかけオープンハウス形式で実施。延伸計画案の概要とまちづくり基本方針案を個別に説明し、意見聴取やアンケートを行う。開催日時と会場は次の通り。

1月20日15~19時:岩槻駅自由通路
1月21日13~17時:岩槻駅自由通路

1月22日13~17時:浦和美園駅自由通路
1月23日15~19時:浦和美園駅自由通路

1月28日13~17時:岩槻南部公民館(岩槻区笹久保)

埼玉高速鉄道線の延伸区間と中間駅の位置。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

埼玉高速鉄道線は赤羽岩淵~浦和美園14.6kmを結ぶ第三セクター鉄道。東京メトロ南北線との相互直通運転が行われている。浦和美園駅からJR宇都宮線・蓮田駅まで約14kmの延伸が構想されており、さいたま市は浦和美園~岩槻を先行整備する方向で検討を進めている。

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