首都圏でも「日中時間帯のメンテナンス作業」JR東日本、2線区で検討へ



JR東日本は12月9日、現在は地方路線を中心に実施している日中時間帯のメンテナンス作業について、首都圏でも実施する考えを示した。現在は夜間に行っているメンテナンス作業を日中時間帯も含めて実施することで、従業員の負担軽減に加え作業の効率性や安全性の改善を目指す。まず京浜東北線や横須賀線での実施を検討する。

日中時間帯のメンテナンスが検討される京浜東北線。【撮影:草町義和】

日中時間帯での作業・工事の実施を検討するのは、京浜東北線の田端~田町。平日の連続した3日間の日中時間帯を想定する。京浜東北線の列車は運休せず、並行する山手線の線路に乗り入れて運行する。

京浜東北線・田端~田町の日中メンテナンス作業のイメージ。【画像:JR東日本】

横須賀線は地下トンネル区間の東京~品川で、昼夜連続での集中工事の実施を検討する。金曜日の終電から日曜日初電までの連続した時間を想定している。

横須賀線の東京~品川は通常、終電から初電までのあいだにトンネル補修工事を実施。1回の作業時間は約3~4時間で、これを何回かに分けて行っている。列車は運休していない。

これに対して昼夜連続の集中工事を実施する場合、1回の作業時間は約28時間。昼間は東京~品川で列車を運休し、横須賀方面は品川駅での折り返し、千葉方面は東京駅での折り返しになる。一方で作業回数は減少。作業開始時の準備作業と作業終了後の復旧作業の回数も減り、全体の作業時間は減少して工事期間を短縮できるという。

横須賀線の通常の夜間工事(上)と昼夜連続集中工事(下)のイメージ。【画像:JR東日本】
横須賀線(新橋駅の地下ホーム)のトンネル構造や安全性をアピールする看板。【撮影:草町義和】

JR東日本によると、同社のメンテナンス量は経年劣化した設備の更新やホームドアの整備などで、今後10年ほどで2割程度の増加が見込まれる。その一方、従業員は少子高齢化による生産年齢人口の減少で2割ほど減る。また、軌道・電気関係従業員へのアンケート(回答者数=1065人)では、「作業を昼間にシフトしたい」と回答した人が全体の67%を占めたという。

首都圏の鉄道路線は日中の運行本数が多く、おもに深夜~未明を作業時間としている。JR東日本は「メンテナンス作業量が増加する中、人手不足やグループ会社、パートナー会社、協力会社を含めた社員の就労意識の変化などを踏まえ、日中時間帯を活用した作業体系の常態へシフトする取り組みを更に進め、効率的でサステナブルなメンテナンス体制を構築していきます」としている。

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