名古屋市は10月24日、同市が導入の準備を進めている新たな路面公共交通システム「SRT」について、来年2026年2月13日に「名駅~栄系統」の運行を開始すると発表した。名古屋都心部の回遊促進とにぎわいの拡大を目指す。

事業主体は名古屋市の住宅都市局で名鉄バスに運行業務を委託。名古屋市は現在、道路運送法に基づく一般乗合旅客自動車運送事業としてSRTの名駅~栄系統を申請中だ。
名駅~栄系統の運行区間は名古屋駅~栄の5.6kmで、おもに広小路通を運行する。停留所は7カ所で、このうち3カ所はSRT専用。それ以外の4カ所は名古屋市営バスや名鉄バスとの共用になる。一部の停留所は上屋などを整備する。車両は連節バス1両に加え、名鉄バスの車両も予備車両として使用する。


連節バスはダイムラーバス「シターロG」を採用。全長18.125m、全幅2.550m、全高3.120mで重量は17.53t(定員乗車時は24.24t)になる。動力はディーゼルエンジン。定員は122人で、このうち座席は35人になる。前車室は乗務員1人と座席18人、立席57人の76人。後車室は座席17人と立席29人の46人だ。



車内にはモニターや窓にデジタルコンテンツを表示する装置を搭載。各種コンテンツや走行ルートなどの情報をクラウド管理し、車両の位置と連動させることで走行地域の情報を表示する。


運行頻度は金~月曜と祝日の週4日程度、9~17時台に1日12本運行する計画。運賃は大人210円・子供100円。現金のほか交通系ICカードやタッチ決済での支払いに対応する。

タッチ決済は1日あたりの利用上限額を大人500円に設定する。MaaSアプリ「CentX」では事前決済・QR乗車のデジタルチケットを販売。SRT単独の1日乗車券(大人500円)と、名鉄や堀川クルーズなどとのセット券を販売する。
利用方法は全扉乗降方式による「乗車時1tap」を採用。交通系ICカードとタッチ決済の利用時はすべてのドアから乗り降りできにし、各ドアにICカードやタッチ決済の読取器を設置する。現金払いに対応した運賃箱は運転台脇のドア付近のみ設置される。

SRTは「Smart Roadway Transit」の略。名古屋市が独自に定めた名称で、実質的には路線バスの輸送力強化策やサービス向上策の一種だ。軽量軌道交通(LRT)やバス高速輸送システム(BRT)で採用されている技術やサービスを参考に企画した乗り物といえる。
名古屋市は2017年、市内中心部の回遊性を向上させる乗り物として、新たな路面公共システムの導入に向けた基本的方針を策定。2019年にはSRT構想を発表し、事業化に向けた検討や実証実験などを行っていた。
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