欧州連合(EU)や欧州投資銀行(EIB)は9月5日、2本のレール幅(軌間)に1435mmの標準軌を採用した鉄道がウクライナ西部で開通したと発表した。ウクライナは欧州の鉄道と同じ標準軌を採用することで欧州~ウクライナの輸送ルート確立と改善を図り、旧ソ連の鉄道で採用された広軌からの脱却を目指す。

今回開通した標準軌の鉄道は、スロバキア国境付近のウージュホロドとハンガリー国境近くのチョップを結ぶ約22kmの路線。EUはこの鉄道の開通について「ウージュホロド~チョップの鉄道移動、スロバキアの都市コシツェやハンガリーの首都ブダペスト、オーストリアの首都ウィーンなど欧州各都市への鉄道移動がスムーズになり、軌間の違いによる乗り換えに伴う遅延が解消される」「鉄道貨物輸送量の増加を可能にし、ウクライナとEU間の貿易を促進し、双方の経済に利益をもたらす」とアピールしている。
欧州の鉄道はおもに標準軌を採用しているが、ロシアやウクライナなど旧ソ連の鉄道はおもに1520mmの広軌を採用している。旧ソ連内での直通運転は可能だが、欧州~旧ソ連を直通する列車は軌間が変わる地点で台車を交換する必要があり、輸送力増強の障壁になっていた。


ウクライナは2022年からのロシアによる侵攻を受け、標準軌鉄道の整備による欧州~ウクライナの鉄道輸送力の強化を図ることを決定。その第1弾としてウージュホロド~チョップを結ぶ標準軌鉄道を整備した。事業規模は2860万ユーロ(約50億円)で、EUやEIBの資金・技術支援を受けた。
今後は4~5年かけてウージュホロド~チョップの標準軌鉄道をチェルニウツィーやリヴィウ、コーヴェリなどウクライナ各都市まで延伸。その後、ウクライナの首都キーウまで延伸することを目指す。
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