近江鉄道の新車両は「AIドクター」デビュー日決定 もと西武車、走りながら線路を検査



近江鉄道線管理機構と近江鉄道は10月8日、近江鉄道線に新形式車両の200形電車「ドクターガチャコン」を導入すると発表した。AIで線路の状態を検査するシステムを近江鉄道線の車両としては初めて導入する。10月28日に出発式が行われる。

近江鉄道線に導入される200形「ドクターガチャコン」。【画像:近江鉄道線管理機構・近江鉄道】

200形は西武鉄道から譲り受けた2000系電車を改造したもの。車体のカラーリングは西武時代と同じ黄色だ。車両前面にカメラを設置し、営業運転を行いながら線路のゆがみや部品の状態を撮影する。この映像をAIで解析して線路の異常を早期に発見するという。

車両前面に取り付けられたカメラ。【画像:近江鉄道線管理機構・近江鉄道】

愛称の「ドクターガチャコン」について、近江鉄道線管理機構と近江鉄道は「線路を検査する黄色い車体と近江鉄道の愛称である『ガチャコン』にちなんで『ドクターガチャコン』と命名しました」としている。近隣の東海道新幹線では、線路や架線を走りながら検査する試験車両が黄色い車体だったため「ドクターイエロー」と呼ばれていた。

10月28日の14時40~55分に八日市駅で出発式を開催。2両2編成を近江鉄道線の全線で運用する。11月30日までは第201編成(201+1201号)にデビュー記念のヘッドマークを取り付けて運行する計画だ。

200形の第201編成に掲出される記念ヘッドマーク。【画像:近江鉄道線管理機構・近江鉄道】

近江鉄道線は本線・多賀線・八日市線の3路線、全長59.5kmで構成される滋賀県南部の鉄道網。昨年2024年4月に上下分離方式の経営体制に移行した。滋賀県や沿線自治体が設立した一般社団法人の近江鉄道線管理機構が近江鉄道線の施設や車両を保有し、近江鉄道に貸し付けている。

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