山陽本線の列車管理システム「D-TAS」使用区間拡大 災害の影響で1年遅れ



JR西日本は4月9日、広島エリアに導入している新タイプの列車管理システム(Database oriented Train Administration=D-TAS)の使用区間を拡大すると発表した。4月26日の始発列車から使用開始する。

D-TASを搭載した227系。【撮影:草町義和】

新たにD-TASの使用が始まるのは、広島駅を含む山陽本線・白市(広島県東広島市)~西広島(広島市西区)間の46.3km。2018年5月には同線の西広島~岩国間35.9kmに導入されており、導入区間が白市~岩国間の82.2kmに拡大する。

D-TASは新しいタイプの自動列車停止装置(ATS)。2015年に広島エリア向けの普通列車用の電車としてデビューした227系に搭載されている。

車両に搭載したデータベースに、あらかじめ信号機の位置や曲線・分岐器などの位置と制限速度の情報を登録。列車は車輪の回転数で列車の位置を把握し、データベースに登録した設備に対し制限速度を超えた場合に、従来型のATSと同様に自動的にブレーキを動作させる。データベースにさまざまな地上設備の情報を登録することで、運転支援機能を充実させているという。

白市~西広島間には2019年春にD-TASが導入される計画だったが、2018年7月の豪雨(西日本豪雨)の影響で1年延期されていた。

D-TASの新たな導入区間(赤)。【画像:JR西日本】