養老鉄道「新型車両」導入時期や製造メーカーなど決まる 旧近鉄車両が引退へ



養老鉄道の養老線(三重県・岐阜県)で運用されている車両や施設を保有する養老線管理機構は9月5日、車両更新事業の概要を発表した。2028年度から新型車両を順次導入し、老朽化が著しい旧近鉄車両を引退させる。

養老鉄道が運用している旧近鉄車両の620系。【画像:KUZUHA/写真AC】

新型車両はステンレス製の車体を採用。制御方式は最新のインバーター制御を採用する。これにより消費電力を従来車両の半分に減らす。デザインは沿線7市町の特徴を取り込んだものとし、地域の魅力を県内外にアピールするという。

また、車内防犯カメラの設置で乗客の安全・安心を確保。全自動空調システムやLCD案内表示システム、自動放送装置を導入するほか、ユニバーサルデザインを採用して利用者の利便性・快適性の向上を図る。

製造メーカーは総合車両製作所(J-TREC)。管理機構がプロポーザル方式で車両製造事業者5社を指名したところ1社から提案があり、管理機構が評価委員会を設置したうえで審査・評価を行い、J-TRECを選定した。

管理機構は新型車両の導入で2028年度から6年間かけて6編成15両を更新する計画。今年2025年9月から詳細仕様の検討を行い、2028年度初頭には契約を締結して製造を開始する。第1編成の導入は2029年2月の予定だ。2028~2030年度は各年度で3両を更新し、2031~2033年度は各年度で2両を更新する。事業費は約49億円。

公有民営化後に導入された、もと東急車の7700系。【画像:ゆのゆな1417/写真AC】

養老線は桑名~大垣~揖斐の57.5kmを結ぶ鉄道路線。かつては近鉄が運営していたが、2007年に近鉄子会社の養老鉄道が近鉄から車両や施設を借り入れて運営する体制に変わった。2018年には公有民営の上下分離方式を導入。現在は沿線自治体が設立した養老線管理機構が車両や施設を保有して養老鉄道に貸し付けている。

車両は現在、近鉄が運営していた時代から使われている旧近鉄車両(600系電車や620系電車)の16両と、東急から譲り受けた7700系電車の15両が運用されている。養老線管理機構は「旧近鉄車両は、製造から60年以上が経過することから、車体や台枠の腐食等、老朽化が深刻になっています」などとし、新型車両の導入により旧近鉄車両を更新するとしている。

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