日立レールとアルストムは6月18日、イタリア・ブレシアの新しい路面電車新線「T2」について、ブレシアの市営交通インフラ企業「ブレシア・モビリタ」と建設契約を締結した。契約金額は合計3億2600万ユーロ。

T2はブレシア南西部のフィエラと北西部のペンドリーナを結ぶ11.3km・21停留場の新線。架空電車線の複線軌道だが、一部の区間(約3.1km)は景観保護のため非電化で整備する。このため架線集電とバッテリー駆動の両方に対応した電車が導入される。
日立レールは18編成の電車に加え、通信機器や車載信号システムを納入。イタリア・レッジョ・カラブリアの日立レールの製造拠点で生産する。アルストムは軌道システムや電化システム、架線、照明、信号システムの設計・建設を担当する。
電車の定員は216人で座席は52席。衝突防止機能を備えた先進運転支援システム(ADAS)を搭載し、振動抑制技術と低騒音設計を採用する。ブレーキ時の回生電力を活用するシステムにより電力消費量を15~20%削減するという。

ブレシアはミラノから東へ約80kmに位置するイタリア北部の都市。路面電車は76年前の1949年に廃止されていた。1980年代に入ると都市の発展に伴い自動車交通の問題が表面化。2013年に開業した地下鉄に加え、路面電車の復活が計画された。
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