箱根登山電車の運休全区間で試運転始まる 営業運転再開に向け最終段階



箱根登山鉄道は7月9日、水害で運休中の鉄道線(箱根登山電車)・箱根湯本~強羅間(神奈川県箱根町)のうち宮ノ下~強羅間で試運転を始めた。7月23日の営業運転再開に向け、準備は最終段階を迎えた。

強羅駅を発車した箱根登山鉄道モハ1形の試運転列車(106+104)。【撮影:草町義和】

宮ノ下~強羅間の試運転は、終点の強羅寄りに取り残されていた車両を使用。この日の10時頃、モハ1形電車の2両編成(106+104)が強羅駅を発車して宮ノ下駅に向かい、続いて2000形電車の3両編成1本(2006+2203+2005)も宮ノ下駅に向かった。いずれも宮ノ下駅で折り返して強羅駅に戻る行程になる。

これにより、箱根登山電車の運休中の区間はすべて試運転が始まった。箱根登山鉄道の関係者によると、運休中の全区間を通しての試運転も数日以内に実施する予定。試運転列車の出発前には「(ここ数日の)大雨の影響により、各地の鉄道路線でも大きな被害が発生している。同じ鉄道事業者として心配している。私たちも協力できることがあれば協力したい」と話した。

箱根登山電車は、小田原(神奈川県小田原市)~箱根湯本~強羅間15.0kmを結ぶ鉄道路線。このうち小田原~箱根湯本間の6.1kmは小田急電鉄小田原線からの乗り入れ列車のみ営業運転されている。

箱根登山鉄道の列車のみ運転されている箱根湯本~強羅間8.9kmは、昨年2019年の台風19号の影響で橋りょうが流出するなどの甚大な被害が発生。当初は今年2020年秋の再開を見込んでいたが、復旧工事が順調に進んだことから再開時期が前倒しされ、7月23日に営業運転を再開する予定だ。

最初の試運転列車はモハ1形の106(奥)+104(手前)の2両編成が使われた。【撮影:草町義和】
強羅駅で発車を待つモハ1形(左)と2000形(右)。【撮影:草町義和】
モハ1形に続いて2000形も試運転列車として発車した。【撮影:草町義和】