熊本市電の運賃「200円」に値上げ モバイル式の1日券は据え置き



国土交通省の九州運輸局長は5月23日、熊本市が申請していた軌道運賃上限変更を認可した。これを受けて熊本市交通局は熊本市電の運賃を平均11.11%値上げする。改定日は6月1日。

熊本市電の路面電車。【撮影:草町義和】

普通運賃は現行180円のところ20円値上げして200円に。定期運賃は1カ月の場合、通勤定期が720円値上げの7200円、通学定期が600円値上げの6000円になる。

「市電1日乗車券」も、紙で発行するものは200円値上げの700円に変わる。一方、スマートフォンのアプリなどで購入できるモバイル式の「市電1日乗車券」は現行の500円を据え置く。

熊本市電の通町筋停留場。【撮影:草町義和】

熊本市電はコロナ禍による収入の減少と電気代の高騰などによる支出の増加で収支率が悪化。これに加えて昨年2024年2月以降、脱線や衝突、信号の見落としなど事故・トラブルが続発している。熊本市交通局は乗務員らの処遇改善や老朽化した設備の更新のため運賃を改定するとしている。

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