京急「クロス・ロング転換車」新1000形1890番台を公開 トイレ・コンセントに展望席復活



京急電鉄は4月15日、新1000形電車の1890番台を報道関係者に公開した。京急電鉄では初のトイレ付き車両で、座席はクロスシートとロングシートの両方に転換できる「デュアルシート」を採用。5月から通常の営業運転が始まる。

1890番台は3月中に8両(4両編成2本)が完成。車両番号は1編成目が「1891-1~1891-4」、2編成目が「1892-1~1892-4」になる。4月15日に公開されたのは「1891-1~1891-4」。

座席はデュアルシートを採用し、座席幅は現在の「ウィング号」などで使用している2100形電車(一人あたり450mm)より10㎜広い460mmに。京急電鉄の車両の座席では最も幅が広い。シート地は抗菌・抗ウイルスで、「三浦半島の旅」を想起させる波をデザイン。すべての席にコンセントを設置した。ドアと座席のあいだには強化ガラス製の仕切りが設けられた。

各車両には防犯用カメラを3台設置。2号車にバリアフリー対応の洋式トイレ、3号車に男性用トイレを設置した。車椅子スペースは1・4号車に設置。このほか、2・3号車にはベビーカーや大きな荷物を持った客が利用できるフリースペースを設けた。また、新1000形のステンレス車(2017~2019年製)から廃止された前面展望席が復活した。

京急電鉄でトイレ付き・全席コンセントの車両が導入されるのは、これが初めて。8両は今年2021年春から順次、営業運転を開始する予定だ。京急電鉄は新造車両の導入により、座席指定列車や貸切イベント列車などフレキシブルな運用に対応するほか、「ウィズコロナ時代」において安心・快適に電車を利用できるようにするとしている。

京急電鉄は4月中に展示会や試乗会を実施。通常の営業運転は5月6日から始まる予定で、座席指定列車「モーニング・ウィング号」やイベント列車などでも運用する。