三菱重工業は5月19日、同社が展開している新交通システムの全自動無人運転車両システム(AGT)について、新ブランド「Prismo(プリズモ)」を開発したと発表した。蓄電池車両とセンターガイド方式を採用し、建設費や二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減する。

蓄電池車両は、回生電力と駅での急速充電を組み合わせて使う新開発のエネルギーマネジメントシステムを採用。武蔵エナジーソリューションズと三菱電機が共同開発している次世代蓄電モジュール「MHPB(Mitsubishi High Power Battery)」をAGT用にカスタマイズして搭載する。
三菱重工によると、従来の同社の空港向けAGTに比べ、約10%の省エネ運行と約10%のCO2排出量削減を実現するという。駅で急速充電を行うことから、駅間は電気を供給するための架線の敷設が不要に。トラブル発生時も次の駅まで走行できる。

従来のAGTは専用通路の両側に車両を誘導するための案内軌条(ガイドレール)を設けるタイプが多い。これに対してPrismoは、ユーカリが丘線(千葉県)やピーチライナー(愛知県、2006年廃止)と同様、専用通路の中央にガイドレールを設けるセンターガイド方式を採用。これにより専用通路をスリム化でき、景観の向上に加え建設費の大幅削減や保守コストの低減を実現できるという。

車両の製造は、太陽光発電所の電力を使用するなどしてCO2排出量を97.5%削減した「カーボンニュートラルトランジションハブ三原」(広島県三原市内の三原製作所)で行う。これにより製造・建設時のCO2排出量を従来に比べ40%以上削減するという。
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