ドイツのオストヴェストファーレン・リッペ工科大学(THOWL)などは、地方向けの新しい軌道交通システム「MONOCAB(モノキャブ)」の研究、開発を進めている。既存の鉄道を活用して小型の車両を自動的に走らせるもの。地域交通が抱えるさまざまな課題の解決を目指している。
モノキャブは4~6人乗りの小型バッテリー式電車で、オンデマンド方式による自動運転を行う。ジャイロスコープを使って車体を安定させ、モノレールのように1本のレールにまたがって走る。このためレールが2本ある単線の鉄道を複線として運行することができる。
2020年から開発が始まり、2022年には最初の有人試験走行が行われた。モノキャブの開発主体は、農村地域で廃止された単線の鉄道を活用し、再活性化を図ることなどを想定。2030年にはバス運転手が8万7000人不足するといい、こうした課題の解決策としてモノキャブが有効であると主張している。
ジャイロスコープを使って1本のレールにまたがって走るジャイロ式モノレールは20世紀初頭にも英国などで研究されたが、開発資金の調達難航などの影響で実用化には至らなかった。
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