グレタさんとドイツ鉄道がツイッターで応酬 「満員だった」「1等席に座っていた」



スウェーデンの高校生で環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんは12月15日、ドイツ鉄道(DB)の列車が満員だったとツイート。DBが「皮肉」で応じるという一幕があった。

ドイツの高速列車「ICE」。【画像:mogu-ko/写真AC】

グレタさんは第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)が開催されたスペインから、列車でスウェーデンに帰国。その途中で利用したDBの列車内で、スーツケースに囲まれた通路の床に座り込む姿の写真とともに「満員列車でドイツを通過中。これでやっと家に帰れる!」とツイートし、座席に座ることができなかった様子を明かした。

これに対してDBは「(ドイツ高速列車の)ICEを利用してくれてありがとう」「1等車で我々のスタッフが友好的に接したことについても触れていただければ、もっと良かった」とツイート。続いて公式サイトで、グレタさんのグループはフランクフルトから先は1等車の座席に座っていたと発表した。

グレタさんは「(フランスとドイツの国境近くにあるスイスの)バーゼルから乗るはずだった列車が運休しており、別の列車を2本乗り継いで移動するあいだは床に座った。(ドイツの)ゲッティンゲンからは座ることができた」「列車が混雑しているということは鉄道旅行の需要が高いことを意味する。これはすばらしい兆候だ」と釈明した。

ドイツなど欧州の都市間列車の座席は基本的に事前に予約できるが、予約していなくても席が空いていれば自由席として利用することができる。日本の列車のように指定席と自由席を明確に分けて設定しているのとは異なる。

近年はJR東日本の一部の特急列車でも、欧州に近い方式の座席を導入している。常磐線の特急「ひたち」は全車指定席だが、座席未指定の特急券を購入すれば、予約が入っていない空席を利用することが可能。席が空いているかどうかは、各席に設置されたランプで確認できる。

グレタさんは2018年、気候変動対策が進まないことに抗議して学校での学習を放棄する「学校ストライキ」を決行。今年9月に米国のニューヨークで開かれた気候変動サミットでは、環境問題の改善が進んでいないとして各国の首脳を厳しく非難した。飛行機に比べ二酸化炭素(CO2)の排出量が少ない鉄道をできるだけ利用しようという「フリュグスカム(飛び恥)運動」にも賛同している。