大井川鉄道(静岡県)は2月18日、千頭駅構内に留置している12系客車から部品が盗まれたと発表した。昨年2020年12月にも部品が盗まれており、同社は警察に被害届を提出した。
同社によると、車両の窓ガラスが壊され、車掌スイッチ・非常用ブザー・方向幕が盗まれたことを12月1日に確認。今年2021年2月16日にも車両幌が壊され、方向幕と方向幕指令器、温度計、非常灯、車両紹介の掲示板が盗まれていたのが確認されたという。
大井川鉄道の12系客車は、JR西日本の山口線を走るSL列車「SLやまぐち号」で2017年まで使われていたもので、レトロ風に改造されているのが特徴。翌2018年に大井川鉄道が自社のSL列車で使うことを目的に譲り受けたが、営業運転はまだ始まっていない。
大井川鉄道によると、盗まれた部品や壊された部品は、列車の安全運転に欠かせないもので、「SLやまぐち号」として活躍していた当時の様子を残す貴重な部品。「(盗難や損壊は)12系の営業運転を楽しみにお待ちいただいている皆様の期待を裏切る行為です」とし、盗難と留置車両への無断立ち入りについての情報提供を呼びかけている。