和歌山電鐵が大幅減便のダイヤ改正 「働き方改革で運転士の確保が困難」



和歌山電鐵は3月31日、貴志川線の全面的なダイヤ改正を5月9日に実施すると発表した。人材確保が難しくなっているなどとして、列車の運転本数を大幅に減らす。

貴志川線を走る和歌山電鐵の列車。【撮影:草町義和】

現在の運転本数は平日が95本、土曜・休日が83本だが、改正後は平日が13本減の82本に。土曜・休日も5本減の78本になる。

夕方以降の列車は、原則として和歌山~貴志間の運転に。平日下りは伊太祈曽止まりの列車が6本から1本に変更される。これにより全線でほぼ30分間隔の運転に。夕方~夜間の和歌山発→貴志行き下り列車は毎時07・37分発のパターンダイヤになる。また、和歌山発→貴志行き下り列車は利用実態に合わせ、22時台の1本を廃止する。

朝も利用実態にあわせて減便され、和歌山~伊太祈曽間は平日の6時台と9時台の上下各2本を廃止。土曜・休日も9時前後の上下各1本が廃止される。一方で貴志発→和歌山行きの列車が6時台に新設される。

和歌山電鐵は改正の理由として、少子高齢化による利用者の減少のほか「働き方改革に基づく時間外の上限規制等を踏まえての法令遵守」を挙げている。「働き方改革の流れの中、必要な人材(特に運転士)の確保が非常に困難となっている」という。

貴志川線は和歌山(和歌山市)~貴志(和歌山県紀の川市)間14.3kmを結ぶ鉄道路線。かつては南海電気鉄道(南海電鉄)の路線だったが、同線の経営悪化から存廃問題が浮上し、両備グループが経営を引き継ぐことに。同グループの岡山電気軌道の完全子会社として和歌山電鐵が設立され、2006年4月から貴志川線を運営している。