JR東日本は3月4日、同社グループの荷物輸送サービス「はこビュン」について、高速・多量荷物輸送の事業化を図ると発表した。「新幹線荷物専用車両」を導入するなどして輸送力の強化を図り、JR東日本グループ全体で年間100億円規模の収益獲得を目指す。かつて全国各地で運行されていた、旅客列車に連結して走る荷物車が復活する。

まず新幹線荷物輸送の大口定期運行サービスを4月18日に開始。東北新幹線でE5系電車10両編成の「はやぶさ50号」(新青森8時29分発→東京11時44分着)を毎週金曜日に運行し、1・2号車の2両で最大200箱の荷物を運ぶ。3~10号車は旅客輸送を行う。将来的には上越新幹線など対象線区の拡大を図る。
続いてE3系電車1編成を全車改造した荷物輸送専用車両を導入。座席を撤去した「床面フラット化」により輸送力を強化し、最大1000箱程度の大口輸送の定期化を図る。秋から東北新幹線・盛岡→東京の上り列車として平日に定期運行。E5系の「やまびこ」と連結して走る。ダイヤは未定だが、盛岡の車両基地(盛岡新幹線車両センター)を正午前に発車し、午後には東京の車両基地(東京新幹線車両センター)に到着するダイヤを検討している。


このほか、「はこビュン」の予約・受付にJR東日本グループのオンラインショッピングモール「JRE MALL」のシステムを活用。法人向けは4月から、個人向けも2025年度内にはJRE MALLのシステムで予約を入れられるようにし、利便性の向上を目指す。
JRの前身である国鉄は貨車による貨物輸送に加え、旅客車を使った小口の荷物輸送を行っていた。旅客車と同じ構造の荷物専用車(荷物車)を旅客列車に1~2両連結して荷物輸送を行っていたこともある。しかし宅配便の発達を背景に衰退し、国鉄の荷物輸送は分割民営化直前の1986年に廃止された。

その後は旅客車を使用した新聞輸送などが限定的に行われるだけになっていたが、近年はトラック運転手不足などを背景に旅客列車を活用した鉄道荷物輸送が各地で広がりをみせている。JR東日本も新幹線や在来線特急による荷物輸送を順次展開。荷物専用の臨時列車を運行するなど多量輸送も試行していた。2030年度内の営業運転開始が予定されている東北新幹線向け新型車両のE10系電車は、荷物輸送に対応した設備を設ける計画だ。

JR東日本は「これまで、主に始発終着駅間かつ列車限定での輸送を行っていましたが、今後、途中駅での取り扱いも含め新幹線全列車に対象を拡大し、大口輸送に関しては東北エリアから首都圏へ土休日を除く毎日輸送を行います。また秋田・山形・上越新幹線など各方面、そして特急電車等を含め『はこビュン』ネットワークを拡大し、輸送サービスを展開します」とし、荷物輸送の大規模な拡大を図る方針だ。
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