東急電鉄は2月28日、大井町線に新型車両として6020系電車を導入するとし、夏以降に順次導入すると発表した。老朽化した従来車両が引退する。

6020系は大井町線の急行用として2018年にデビュー。現在は14両(7両2編成)が運用されている。中間の1両はクロスシートとロングシートの両方に転換デュアルシートを採用。クロスシート時は座席指定車「Qシート」として使用している。
今回導入する6020系は各駅停車用。1編成の車両数は5両でQシート車は組み込まない。田園都市線の2020系電車や大井町線急行用の6020系、目黒線・東急新横浜線用の3020系電車からなる「2020系シリーズ」と同様、座席は背もたれの高いハイバック仕様を採用する。

車内には快適性を高めるため空気清浄機を設置。ドア上に配置するデジタルサイネージは多言語案内を充実させるほか、ニュースや天気予報などの情報サービスも提供する。荷棚の高さは低く抑え、積み下ろししやすい形状を採用。車椅子・ベビーカー利用者向けのフリースペースを全車両に設置する。
走行装置は低騒音型の主電動機や駆動装置を採用。車内外の騒音を従来車両の9000系電車に比べ10%低減する。高効率半導体素子を用いた制御装置の採用や車内外の照明のLED化も図り、使用電力を9000系と比較して約4割削減する。
このほか、安全性の向上策として機器の状態監視が常時可能な大容量情報管理装置を採用。車両故障の未然防止を図り、運行の安定化を目指す。踏面ブレーキとディスクブレーキの併用によるブレーキ性能の向上も図る。
各停用6020系は今年2025年夏以降、90両(5両18編成)を順次導入する予定。大井町線の従来車両のうち9000系と9020系電車をすべて各停用6020系に置き換える。

大井町線では現在、急行用として7両編成の6000系電車と6020系、各停用として5両編成の9000系と、2000系電車を改造した9020系電車が運用されている。9000系は1986~1991年の製造で、9020系の改造元である2000系は1992~1993年年の製造。いずれも30年以上が過ぎている。東急電鉄は2022年1月、大井町線への新型車両の導入方針を明らかにしていた。
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