京浜急行電鉄(京急電鉄)は1月20日、車内設備を一新した新造車両を導入すると発表した。クロスシートとロングシートの両方に転換できる「デュアルシート」を採用。今春から営業運転を始める。
新造車両は新1000形電車の改良タイプで、8両(4両編成2本)が導入される。車両番号は1編成目が「1891-1~1891-4」、2編成目が「1892-1~1892-4」。
座席はデュアルシートを採用し、座席幅は現在の「ウィング号」などで使用している2100形電車(一人あたり450mm)より10㎜広い460mmに。京急電鉄の車両の座席では最も幅が広くなる。
座席シート地は抗菌・抗ウイルスで、「三浦半島の旅」を想起させる波をデザイン。すべての席にコンセントを設置する。ドアと座席のあいだには強化ガラス製の仕切りを設ける。
各車両には防犯用カメラを3台設置。2号車にバリアフリー対応の洋式トイレ、3号車に男性用トイレを設置。1・4号車に車椅子スペースを設けるほか、2・3号車にはベビーカーや大きな荷物を持った客が利用できるフリースペースを設ける。また、新1000形のステンレス車(2017~2019年製)から廃止された前面展望席を復活させるという。
京急電鉄でトイレ付き・全席コンセントの車両が導入されるのは、これが初めて。8両は今年2021年春から順次、営業運転を開始する予定だ。京急電鉄は新造車両の導入により、座席指定列車や貸切イベント列車などフレキシブルな運用に対応するほか、「ウィズコロナ時代」において安心・快適に電車を利用できるようにするとしている。