JR西日本の磁気券「QR乗車券」に移行へ まず近距離券、チケットレス化も推進



JR西日本は1月8日、裏面に磁気素材を貼り付けた紙の切符(磁気券)をQRコードの切符に置き換えると発表した。同時にQRコードを活用した企画乗車券の発売やチケットレス化も推進する。

実際に発売されたらこんな感じ? QR乗車券のイメージ(駅名や線名などは鉄道プレスネットによる架空のもの)。【作成:鉄道プレスネット】

JR西日本によると、磁気券のうち近距離区間の切符を2028年以降、順次「QR乗車券」に移行する。将来的にはインターネット予約で購入した切符もQR乗車券で利用できるようにする方針だ。また、磁気券の削減に伴い、とくにICカードの利用率が高いコーナーではIC専用改札化をさらに進めるという。

このほか、今年2025年1月19日の乗車分から新しいチケットレスサービス「QRチケットサービス」を開始。関西MaaS協議会のMaaSアプリ「KANSAI MaaS」などで企画切符を購入し、スマートフォンの画面に企画切符のQRコードを表示すると、QRコード読取器付きの自動改札機を通過できる。QRコード読取器がない駅でも改札付近に掲示されるQRコードを読み込み、読込後の画面を駅員に確認してもらえば改札を入出場できる。

1月19日時点では大阪環状線・JR東西線・桜島線(JRゆめ咲線)と、関西本線(大和路線)の天王寺~JR難波、東海道本線(JR京都線・JR神戸線)の京都~大阪~尼崎で利用できる。阪和線・関西空港線も天王寺駅と関西空港駅のみ利用可能だ。その後も3月中旬以降、関西圏を中心としたエリアのJR線で順次利用できるようにする。

2025年1月19日時点のQRチケットサービスのエリア。【画像:JR西日本】
2025年3月中旬以降に順次拡大予定のエリア。【画像:JR西日本】

磁気券は金属を含む磁気素材を紙に貼り付けているため、リサイクルに際しては磁気層の分離と廃棄が必要などコストがかかる。JR西日本はQR乗車券の導入により「磁気券の削減を図りつつ、持続可能な鉄道サービスの提供を実現していきます」としている。

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