国土交通省の近畿運輸局長は12月25日、神戸電鉄が申請していた鉄道事業の旅客運賃上限変更を認可した。これを受けて神戸電鉄は来年2025年1月19日に運賃を改定。バリアフリー料金を廃止しつつ、実質的には10%近く値上げする。

バリアフリー料金を含む現行運賃と比較した場合、普通旅客運賃は初乗り(1区=1~2km)が20円値上げの210円で200円を超える。定期旅客運賃は大人1カ月の場合、6区(11~12km)で通勤定期が2050円値上げの1万8610円。通学定期は400円値上げの8320円になる。平均改定率は12.536%だが、バリアフリー料金(普通旅客運賃の場合で10円加算)を運賃改定にあわせて廃止するため、実質的な改定率は9.841%になる。
近畿運輸局によると、神戸電鉄の収支は2023年度が83億8132万円の収入に対し経費は87億2555万3000円で3億4423万3000円の赤字。2025~2027年度の3年間推計では現行運賃のままなら58億2057万7000円の赤字だが、運賃の改定で29億322万5000万円の赤字に抑えることを見込む。
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