仙石線に新型車両「E131系」デザイン公表、ワンマン運転に対応 205系は引退へ



JR東日本の東北本部は12月24日、仙石線(宮城県)に新型車両としてE131系電車を導入すると発表した。これにより同線で現在運行されている205系電車が引退する。

仙石線用のE131系のイメージ。【画像:JR東日本】

仙石線に導入するE131系は4両1編成。車体の幅を現在の205系電車より150mm拡大して2950mmにする。前面デザインは仙石線205系の色彩を踏襲しつつ、各地に導入されたE131系と同様のドット柄で装飾する。

車内は仙石線沿いの海の景色をイメージしてデザイン。車体幅の拡大に加え座席幅も拡大する。座席はロングシートで、モケットの背はラインカラーのスカイブルーでデザインする。バリアフリー関係ではフリースペースを各車両に設け、車椅子客やベビーカー利用客に対応。また、運行情報や乗換案内を表示する大型ディスプレイ(17インチ)を一部のドアの上部に設置する。

仙石線用E131系の概要。【画像:JR東日本】

安全対策として、各車両の客室に車内防犯カメラを設置。従来の車両では1両につき1カ所だった非常通報装置を4カ所(トイレ設置車両は5カ所)に増やす。車両側面にもカメラを設置し、乗務員が運転室から旅客の乗り降りを確認する機能などワンマン運転に対応した機器を搭載する。

このほか、モニタリング技術を活用した車両搭載機器や線路設備の状態を監視する機能を搭載する。主回路機器には炭化ケイ素(SiC)の半導体素子を採用し、車両の消費電力を抑える。

E131系と205系の仕様・性能。【画像:JR東日本】
仙石線の205系はE131系の導入に伴い引退する。【撮影:草町義和】

仙石線向けのE131系は56両(4両14編成)を導入する計画で、2025年度冬ごろから仙石線・あおば通~石巻で営業運転を開始する予定。同線で現在運用している車両のうち205系を順次置き換える。全編成がE131系に置き換わったあと、仙石線でワンマン運転を実施する計画だ。

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