全国の鉄軌道事業者が加盟する日本民営鉄道協会(民鉄協)は12月19日、本年度2024年度の「駅と電車内の迷惑行為ランキング」を発表した。今回はインバウンド需要で増えている訪日外国人旅行者の迷惑行為についても調査を行った。
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民鉄協は1999年から「駅と電車内のマナーに関するアンケート」を実施。アンケート結果をランキングにして公表しているほか、鉄道各社のマナーキャンペーンでも活用されている。
本年度2024年度は10月1日から11月30日までの2カ月間、ネット上でアンケートを実施。5314人が回答した。迷惑行為の総合ランキング1位は「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」。この項目はコロナ禍のなかで近年は4~6位という比較的高順位で推移し、昨年度2023年度は2位だった。
民鉄協は「昨年(2023年)5月の外出時における行動規制の緩和を機に、電車内でマスクを外す人が徐々に増えたことで感染症に対する不安や危機感を感じた方が多く回答したとみられます」としている。
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訪日外国人旅行者の迷惑行為については、回答総数の約6割(3344人)が「迷惑と感じたことがある」と回答した。1位は「騒々しい会話・はしゃぎまわり」で全体の半分以上を占める。民鉄協は「多くの鉄道利用者が訪日外国人旅行者の迷惑行為として認識していることが伺えます」としている。
ほかには荷物の持ち方や置き方などが上位に入った。民鉄協はこの調査について「インバウンド需要が加速する中、訪日外国人旅行者向けのマナー啓発の実施も見据え」たとしている。
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戦後の日本人の場合、1980年代後半には円高を背景に出国者が急速に増え、1990年には1000万人を突破。このころから海外各地で日本人のマナーの悪さが指摘されるようになった。
1990年4月28日付け『朝日新聞』東京朝刊は、ツアーコンダクターや現地ガイドなどが指摘する日本人観光客のマナー違反例として「教会でざんげしている信者をフラッシュ撮影する」「美術館や博物館で並べられているじゅうたんや陳列品に触る」「別の客に対して商品の説明をしている店員に、わきから『すいません』と割り込む」などを挙げている。
近年の日本人観光客は海外でマナーがいいと評価されることが増えた。米旅行会社「エクスペディア」が実施しているアンケート調査では、日本人がマナーのいい観光客として2007~2009年の3年連続で1位になったことがある。
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